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止まり木
止まり木_f0204561_1175492.jpg先週から入所してきた子どもと初めて会話。

自分から会話を仕掛ける。


先週は目が合う程度のやりとり。

この日もお昼ゴハンのとき
ふとしてお互いの視線がぶつかる。

視線を切らずに
じーーっと見つめる。

向こうも視線を切らないので
さらにじーーっと見つめる。

そして

ニコッと微笑む。

それを見て向こうも
ニコッと微笑み返し。


コトバを交わしたわけでないが
これが彼と自分との初めての会話。


その後お昼ゴハンを終えて
昼休憩気分でひとりのんびりしていると
遠巻きから彼が様子を伺いつつ
じりじりと自分との距離を縮めてくる。

お互いの距離を図るようにして
ゆっくりとわずかずつだが確実に。

自分が気になるのか仲良しになりたいのだろうか。
そんな彼の品定めをしている胸中が自分に伝わる。

そして

ニコッと彼にあの微笑みをもう1度。

すると
この人のテリトリーに入っても大丈夫だと確信したのか
てくてくと寄ってきて
自分の隣にちょこんと座する。

それからお互いにコトバを交えてのお話し。

それ以降1日中
自分が帰路に向かうため活動先を出るまで
ずっと自分の横を陣取っていた。

晩ゴハンのときもちょこんと自分の隣に座って食べて
バスケの審判をしていたときもすぐ横で見ていた。

そんな健気な彼の動行に
ほっこりとした気分になる自分。


施設に入所して間もない子どもにとって
新しい環境でどうしていいのか右も左も分からない。
新しく人間関係を築いていかないといけない。

子どもたちの人間関係の真っ只中にいながら
子どもたちどうしの利害関係とは離れたところいる自分は
そんな不安を抱いている子どもにとって
ホッと一息つける安息の地なのかもしれない。


自分を止まり木にしてちょこっと羽を休めて
自分で飛べると大丈夫だという時期を見計らって
自分から離れて外の世界へ飛び立っていく。


今まで何人の子どもたちが自分の元から飛び立っていくのを見届けただろうか。

飛び立ってしまうのはちょっぴりさみしさもあるけど
離れていても陰ながらちゃんと見守ってるよ。
by satoshi_0813 | 2010-09-28 22:54


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