隊員総会1日目 <活動報告会>
f0204561_225545100.jpg半期に1度、タイ国内のボランティア隊員が全員参加するJICAボランティア隊員総会。

タイに派遣されて自身4度目。
そして最後の隊員総会となる。


そして今回、満を持して
活動報告会で自分が発表する機会をいただく。

通常であれば30分という発表時間枠なのだが
他の隊員に伝えたいことを出来るだけ盛り込もうと思ったら
どうにもこうにも時間が足らない。

かなりの無理を言ってプラス20分の50分枠での発表。

もちろんタダの活動報告をするというワケではなく
時間枠とともにいわゆる活動報告という枠組みも超えてやろうと企てていた。


発表の冒頭で
報告会の雰囲気をつくろうとガツンとひと言。

「このプラス20分の発表時間でみんなのボランティア活動の在り方が変わるかもしれない。
そんな意義のある時間にしていきたい。
もちろん聴き手の心がけ次第ではあるが。」

ちょっと言い過ぎた・・・。


さてさて
発表の主となる柱は3本。以下、発表要旨。


f0204561_2258021.jpg1:「豊かさ」とは?「貧しさ」とは?

派遣された国を豊かにすることを特命とされ
その最前線に立ち向かってボランティア活動をする自分たち青年海外協力隊。

派遣国、職種、要請内容、あるいはボランティア活動を行う本人による違いによって
それぞれのボランティア活動の在り方が異なってくるであろうが
「派遣国を『豊か』にする」
というとてつもなく大きい目的を共通項として共通項として持ち合わせているはず。

であるので
その「豊かさ」とは何か。
あるいはその対極のものとして「貧しさ」とは何か。
について常日頃から考えながら日々のボランティア活動に取り組み
自分のボランティア活動の在り方や自分自身について検証を重ねることが大切。

そしてそういった反芻作業によって
自分が行うボランティア活動の意義を見出し
自分自身が派遣されてここにいる存在意義を確認することにもつながる。

「豊かさとは何か。」
という自分に課したものに対して自分が導き出した答えは

  【選択肢(の多さ)】

ということ。(詳細記事:『豊かさとは何か、貧しさとは何か』参照)

この「豊かさ」論が
自分のボランティア活動を支える基本重要理念となっていることを紹介。



f0204561_22584594.jpg2:「子どもにつけたい力」について

派遣職種が「青少年活動」ということで
ボランティア活動において子どもたちとの関わりというものは
切っても切れない関係にある。

その子どもとたちとの関わりにおいて
「子どもたちにどのような力をつけたいか」を考えながら活動を行う。

このことについて自分は
子どもたちに「自己成長力」をつけることをねらって活動を行ってきたことを紹介。

「豊かさ」の基準が「選択肢(の多さ)」であるとする自前の豊かさ論では
個人の努力によって「選択肢」を増やすことは可能であると考える。

  自分たちの「選択肢」を増やすための持続的努力
  自らの力で自らを高めようとするチカラ

これこそ「自己成長力」であり、その大切さを説く。


たしかに「選択肢」というものは生まれながらに決まってしまっている場合もある。

だからと言って
そんな自分の境遇にやさぐれてしまったり過小評価してしまったりして
自分自身を高めるとをあきらめたり、頑張らなかったり、挑戦しなかったり
自ら「選択肢」を増やすことを放棄しまっている。
自分の努力によってより「選択肢(豊かさ)」を獲得することができるのに。

それぞれが可能性として秘めている「選択肢」は
自分の力で増やすことが可能であると考えているからこそ
子どもたちが自分の力でよりよい自分を高め成長していき
自分の力で自分の選択肢を切り拓く力をつけていくために
子どもたちの支援者として応援をする存在としての自分でいようと心がけた。


あるいは
子どもたちの成長を支援するという期間は限られた場合がほとんど。
中学校の教師であってもしっかり関われるのは最長3年。
今回のボランティア派遣期間も1年9カ月。

子どもたちと関わり合える時間は限られたもの。
いつまでも子どもたちと関わって傍にいて成長を支援することは難しい。
宿命的にいつかは子どもたちの前から姿を消さなければならない日がやってくる。
それはたとえ親であっても。

また、いつまでもにいて成長を支援することは
その子どもたちにとっても決してよいことであるとも言えないだろう。
自分が子どもたちの傍からいなくなったら
子どもたちの成長が停滞してしまう、後退してしまうことになってはいけない。

だから子どもたちが自分の力で成長するチカラを備え付けなければならない。
つまりその力というのが「自己成長力」になる。


子どもたちに「自己成長力」を培わせるために自分が大切にしていることは
「達成感」→「自信」→「意欲」といった精神サイクル。

そして
この3つの精神サイクルに到達するために不可欠な要素が
「成功体験」。

さまざまな体験や活動を仕組んでいって成功体験を積み重ねていくことで
褒められるうれしさやできるよろこびを実感することを引き出し
子どもたちに「達成感」「自信」「意欲」を獲得していく。

そして、その獲得した「達成感」「自信」「意欲」によって
さらなる新たな「達成感」「自信」「意欲」を引き出していく。

この3つの精神サイクルが上昇気流を生み出し
「自己肯定感」「自尊感情」「自主・自立・自律の精神」の芽生えとなり
「自己成長力」につながる。


「成功体験」に辿り着くためにはさまざまな体験を仕組むことが大切だが
もちろん「成功」とは別に「失敗」するという苦い体験も時として経験しなければならないもの。

「成功」の対極にあるのが「失敗」ではなく、「失敗」の延長線上に「成功」がある。
「失敗」は「成功」のための糧であり、
極端な話、必ず成功する唯一の方法は「成功するまで失敗し続けること」にある。

とは言え
できることなら失敗することは避けたいと思っている子どもたち。

自分自身に対して強いコンプレックスを持ち
自分に自信を持てない子どもたちであれば
なおさらその傾向は強いもののはず。

そんな子どもたちだからこそしっかり関わっていく存在が重要。
「失敗」することもあるだろうけれど
「成功」するまでしっかりとことん子どもたちの傍にて付き合っていく。

子どもたちが成功体験に向かって取り組むには、支援者との関係性も重要。

子どもたちの成長を期待感を持って、愛情いっぱいに、肯定的に見守ってくれる存在が
傍にいることで子どもたちは安心して活動に取り組むことができる。

その「安心感」はいわゆる「信頼関係」から生まれる。

この人は自分のために応援してくれている。
この人と一緒ならがんばれる。
この人なら自分を成功に導いてくれる。
この人を自分が頑張ることでよろこばせたい。

そういう信頼関係から生まれた思いが
体験活動に勇気を持って足を踏み入れる第1歩を後押しするものになる。


といった「子どもたちにつけたい力」について取り巻く
自分の子どもたちと活動の関係の考え方について説明。



f0204561_230851.jpg3:実際に行った「ボランティア活動」について

上で述べた
  ・ボランティア活動の目的としての「豊かさ」論
  ・活動を通して子どもたちにどのような力をつけることをねらってきたのか

という基盤・理念にのっとって行った実際のボランティア活動を紹介。

強いコンプレックスを持ち
自信・自己肯定感・自尊感情が乏しい一方で
偏狭なプライドや必要以上に高い虚栄心を持ち
自分をなんとか実質以上によく見せようと虚勢を張って
自分自身を保とうとする態度や姿勢が見られる活動先入所施設の子どもたち。

そんな心の奥底には
 
 「自分をみてほしい!」
 「いいところを知ってほしい、見つけてほしい」
 「誰かから自分というものを認めてほしい」

という想いをひた隠しながらもずっと持っていて
自分を理解して応援してくれる人を待っているように感じた。

そして、その役目を自分が果たそうとしてきたこの任期期間。

子どもたちに学習支援を行ったり一緒に学習を行ったり
フラッシュ百まい足し算に取り組んだり
サッカーやフットサルの他に新たな選択肢としてバスケットボールを導入したり
子どもたち一緒になってグループレクをしたり
その中で協力することの大切さや子どもたち自分自身のよさというものを理解したり。

プロジェクトやプログラムなどの大きな事業は何も成し遂げていなくて
1つ1つは小さくて地味な取り組みである自分のボランティア活動。

でも
その小さくて地味な1つ1つの活動に
大きな意味とココロを込めて地道に積み重ねていった。

すべては子どもたちの「成功体験」→「達成感」→「自信」→「意欲」のために。
すべては子どもたちが自らを高めるために自己成長をする力を育むために。
すべては子どもたちの「豊かさ」のために。



以上3つの柱を中心に発表。


この中でとりわけ伝えたかったもの。
無理言って時間枠を超えてまで伝えたかったもの。

それは「豊かさ」について考えること。

世界や国を「豊か」する上での「豊かさ」を考えて
そしてそのために自分はどのような活動ができるのか。
あるいは活動をしているのか、してきたのか。

これまでの活動を振り返ると同時にこれから活動をしていきながら
日々そのような考えを反芻していきながら
自分たちのボランティア活動のあり方を検証していって
有意義なボランティア活動やより高まりのある自分といったものを目指していく。

そういった「無意識の意識化」を促す提言をしていくとともに
隊員それぞれ自身のボランティア活動あるいは自分自身について
より深いレベルで考えることができる「きっかけ」づくりを図る発表を試みた。

そんな想いやメッセージが
それぞれの隊員の中にどれだけ伝わり、響き、浸透し、広がるのか。


青年海外協力隊員ってひたむきに頑張ってるんですよ!
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by satoshi_0813 | 2011-02-24 23:52


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