見極める観察眼と駆け引きのチカラ
f0204561_2042945.jpgフラッシュ百まい足し算に取り組もうとする子ども。

彼は小学3年生だが
足し算ができないでいた。

正確にはできると言ってよいのだろうが
それは指を折って数えるというもの。

タイの初等算数教育の傾向だろうが
簡単な足し算であっても
指折りで数を数えるクセが抜け切れず
暗算での計算処理の段階に壁ができてしまう子どもたち。
(過去記事:『指折りで数を数えるべからず!』参照)


自分との個別指導により
そろそろフラッシュ百まい足し算をやってみようか
という段階までやってきた。


自分がそう促すが
彼は「できない。無理。」と言って跳ね返す。


自信のなさから簡単に自分をあきらめる子どもたち。


よし、それならば・・・

あくまでも試しの練習として
100枚あるフラッシュ百まい計算のカードを使って
解答できたら左側
解答できなかったら右側に置いて挑戦。

ということでやってみる。


さて実際100枚すべて終えてみると
左側には85枚
右側には15枚。


彼にとっては苦手意識がいまだ強く
「できない」というものがとてつもなく大きく重たいものとして圧し掛かっていたのだろう。

がしかし実際やってみると
できる部分が大きく圧倒していて
自分の中に圧し掛かっていた「できない」部分は
わずか15枚という枚数として目に見えたことで
実は取るに足りないものだったことが分かる。

右側にはあとわずか15枚残されたカード。

ここまで「できる」ことが分かると
この中途半端に残された「できない」部分を片付けなくなる。

そんな心理に駆られて
残りのできなかった15枚を再度挑戦してやっつける。


ほら、全部できた。

まるで魔法にかけられたような彼の晴れやかな表情。
あるいは
悪い呪縛から解き放たれたかのような。


ひとつの駆け引きであったとも言える。

でも確信はあった。

ずっと懇切に指導を積み重ねてきた経緯から彼の実力を把握していたこと
その中で培った彼と自分との信頼関係から
彼は「できる」「やってくれる」を見極めていた。

あとは
動き出した彼の心をうまいこと導いてあげる。

見極める眼と心理的な駆け引き。
我ながらうまくハマった。

ある意味では「賭け」的な要素もあったが
その賭けに勝つ確信はあった。

もちろん
こういう指導は誰にもできるようなことではなく
長きにわたりしっかりじっくり見ていったからこその結果であると。
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by satoshi_0813 | 2011-02-11 23:30


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