ふと目をやると
草の緑に身をかがめて何かに向かってにじり進む子ども。 トンボを捕まえようとしている。 何度もソロリソロリ近づいて 素早く手を伸ばして挑むものの 失敗ばかり。 自分も参戦してみるが なるほど素手で捕まえるのはムズかしい。 そこで ちょっと考える。 考えて考えて考える。 アイディアがひらめく。 頭の中でかたどられたアイディアで道具をこしらえる。 「ホモ・ファーベル(道具を工作する人)」とはよく言ったものだ。 道具の使用は知性の存在の象徴。 そして古来から狩猟活動によって 動物を追い、効率よく狩りをするため予測や想像を働かせ 知能を発達させていった人類に倣って 知性という名の武器を最大の武器にして 再度トンボとの戦いを挑む。 ソロリソロリと息をひそめて慎重に そして ここぞとばかりにガバーッ!と大胆に狙う。 トンボの捕獲に成功。 そばで見守っていた子どもたちから感嘆の声。 子どもたちにいいところを示してこの道具をあげると よろこび勇んで次から次へとトンボを乱獲。 一見すると楽しげなそんな光景だが まるでこの地球(ほし)の縮図を見るよう。 文明にもの言わせる人類が 多様な生物を乱獲し その存在を脅かす。 そう思って見ると 自分が考えた捕獲道具を手にしてよろこびを上げる子どもたちの声が なんとも複雑に自分の鼓膜を引っ掻いた。
by satoshi_0813
| 2010-11-17 22:59
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