バスケットボール命
f0204561_23421572.jpgバスケットボールに熱中するひとりの男の子。

普段は学校に通うことなく
施設でもとりわけ何をするということもなく
時間が流れるのを待つように静かに
それでいて
なにやら悩ましげに物思いにふけている姿をよく見る。


活動先の子どもたちに見られる傾向として
それまでの成功体験の乏しさからか
それとも自分たちの境遇に半ばやさぐれ気味なのか
自分にコンプレックスを抱いたり
悲観的に考えていたり
自分に対する自信や肯定感が極めて低い。

それに反比例するように
どこかで自分を実質以上のよく見せようと自分自身を保っていたいと思って
変にプライドや虚栄心だけはやたら高い。

そんな背景もあるから
子どもたちの新たなことへの挑戦や意欲を阻む障害となっていて

自分との活動や経験を通して
そんな子どもたちのささくれ立ったココロを解きほぐして
何事にもあきらめない粘り強さ、挑戦しようという意欲などといった
心の力を高め、子どもたち個々の自信や自尊感情・自己肯定感を養う
ということを考えているわけで。


そんな典型的とも代表作ともいっていいような彼。


彼はこれまで得手とするものを自分自身で実感できず
自分には何も取り柄もないどうしようもない人間と決めつけて
やることなすことすべてあきらめているように映る。

もちろん実際にはそのようなことはなく
自分の目から見ても潜在的にいいものを持ち合わせているところもあるだけに
実にもったいないことである。


f0204561_2343281.jpgそんな彼がバスケットボールと出会ったのは
いつだっだだろうか。

彼が唯一といっていい輝きを見せるときは
バスケットボールをしているとき。

抜群に上手いというわけではなく
よほど3Pシュートがカッコよくて気に入ったのか
しょっちゅう3Pシートを狙ってばかりいるのが。

シュートが決まると
自分と目を合わせてどうだとばかりにドヤ顔を見せる。
それでも自分が褒めると
まだ控えめにはにかみ照れ笑いを浮かべるが
そのずっと底にはしっかりプライドが埋め込まれている。

ちょいとひねくれ坊主だが
そういう偏屈なところは自分自身決して嫌いではない。


とにかくそんな彼がバスケットボールに出会えてよかったのだろう。

彼自身にとって何か寄るべとなるものを見出すことができて
彼のそれまでの単色単調な生活に
少なからず色が灯されたのだろうか。
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by satoshi_0813 | 2010-11-11 23:13


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